SEOとSEMの違いとは?SEM=リスティング広告ではありません!

SEO対策
SEOのイメージ

Webマーケティングにおいて重要な施策として語られることの多い「SEO」「SEM」

しかし、両者の違いについて明確に知らない人も多いのでは? 特に、SEMについては理解していない方が多く、「SEM=リスティング広告」という誤解も生まれています。

どちらも重要なマーケティング用語ですので、その意味をしっかり理解しましょう。

今回はSEOとSEMの違いや、さらにはSEOとリスティング広告の使い分けポイントまでをご紹介していきます。

SEOとSEMの違いとは?

SEOとSEMの概要をご説明していきます。

まずSEOは“Search Engine Optimization”の略で、日本語で言うと「検索エンジン最適化」となります。具体的には、Webサイトを検索で上位表示させるために、検索エンジンに合わせてサイト内のコンテンツや構造を調整することを言います。

一方でSEMは“Search Engine Marketing”の略で、検索エンジンにまつわるマーケティング施策全般を指す概念となります。つまり、SEMの中にSEOやリスティング広告が含まれているのです

SEOとSEMは並列で言及されることも多いですが、正確にはSEMはSEOを含む上位概念なのです。また、SEMをリスティング広告のことと捉えるのも誤解です。

図で示したのがこちらです。

図1

リスティング広告とは?

SEMの1種であるリスティング広告についておさらいしましょう。

リスティング広告とは、検索結果の画面に表示される有料の広告のことで、検索連動型広告と呼ばれることも。特定のキーワードで検索したユーザーに対して広告が表示されるため、明確にニーズを持つユーザーに対して広告を当てることができます

出稿先としてはGoogleとYahoo!が代表的です。

例えば、母の日にキャンペーンを仕掛けるフラワーショップ通販であれば、「カーネーション 通販」「カーネーション 安い」などのキーワードを設定すれば、ニーズのあるユーザーに広告を表示させることができます。

Googleの検索結果の画面における、SEM、SEO、リスティング広告の対象エリアは以下の通り。

図2

SEOとリスティング広告の違いは?

続いて、SEOとリスティング広告の違いについて、費用、クリック率、即効性、コントロール性の観点から見ていきましょう。

SEO リスティング広告
費用 無料 有料
クリック率 高い 低い
即効性 低い 高い
コントロール性 低い 高い

費用

リスティング広告は有料ですが、SEOは基本的に無料です。

リスティング広告は主にクリック単価で課金され、なおかつ入札によってクリック単価が決まります。そのため、コンバージョンに直結するような競争率の高いキーワードは単価が高くなり、費用が積み重なっていきます。

ただし一方で、少額からの出稿も可能で、競争率が低く、それでいてコンバージョン率の高いいわゆる「お宝キーワード」を見つければ、低予算で運用することもできます。

方や、SEOは広告ではないため無料です。無料のため、個人から企業まで多くのプレイヤーがSEOでの上位表示を狙っています。

ただし、上位表示させるには正確なSEO知識に基づき、質の高いコンテンツを掲載したり、SEOに有利なサイトマップを作成するなどの対策が必要となります。その結果、サイト構築に多額の費用がかかることもあります。

リスティング広告とSEOで、一概にどちらのコスパが良いとは言えないでしょう。

クリック率

リスティング広告より、SEOで表示されるページの方がクリック率は高くなります。

要因は、広告を無視しようとするユーザーの習性です。Google・Yahoo!ともにリスティング広告では「広告」であることは明示されており、ユーザーはどうしても警戒します。

一方でSEOによる検索結果は、広告ではない中立的な情報であるという印象を与えるため、クリック率が高くなります。

即効性

SEOより、リスティング広告の方が即効性があります。

SEOでは、どれほどドメインパワーの高いサイトであっても、上位表示までには数日のタイムラグが発生します。さらに、検索エンジンからページの質を高く評価されない限りは、いくら時間が経っても上位表示されることはありません。

その点、リスティング広告は審査が即日で完了することもあり、すぐに広告表示をスタートさせることができます。お金さえ払えば、SEOで人と時間を投下したページよりも上のエリアに広告を出すことができるのです。

コントロール性

SEOよりもリスティング広告の方がコントロール性は高いです。

なぜなら、SEOではそもそもページが上位表示される保証はなく、むしろほとんどのページは検索結果の2ページ目移行の下位に沈んでいます。たとえ上位表示されたとしても、検索エンジンのアルゴリズム変更により、いつ下位に飛ばされるかも予測できません。アルゴリズムの神のみぞ知る、コントロールできない部分があります。

一方でリスティング広告はほぼ確実に1ページ目に表示できるほか、出稿後に予算やキーワードを変更するのも簡単です。リスティング広告も「入札単価」と「広告のクオリティー」により表示順位は変動しますが、基本的にはお金を積みさえすれば上位に表示されます。

SEOとリスティング広告の使い分けポイントは?

使い分けのイメージ

SEOとリスティング広告はどちらの方がコスパに優れているのでしょうか。

その答えはもちろん「ケースバイケース」です。

もし成果をすぐには求めない場合、SEOの方が適しています。なぜなら、SEOは無料で集客できるという非常に大きなメリットがあるからです。

短期的成果を求める場合は、即効性とコントロール性に優れたリスティング広告を積極的に使っていきましょう。

ただし、どちらか一方だけと決める必要はありません。
両者を併用することで、

  • リスティング広告でユーザーの反応の良いキーワードを探り、それをSEOでも活かす
  • リスティングでPVと被リンクを集めて、そのページを自然検索でも上位表示させる

といったシナジー効果も期待できるからです。

まとめ

SEM、SEO、リスティング広告、それぞれの持つ意味は理解できたでしょうか?

繰り返しますが、SEMはSEOとリスティング広告を含む総称のことです。ぜひお間違えないように。

マーケティング担当の方は、これらの用語の意味、そして施策としてのメリットとデメリットを正しく理解して、自社のマーケティングに活用できるようにしましょう。

この記事を書いた人
鈴木 晋介
フリーランスのWebマーケッター。同志社大学を卒業後、合成繊維の設備メーカーで海外営業を4年半経験。独立後、スマホアプリ開発や、旅行・美容・SEOジャンルのWebメディアを制作。Google、Yahooの検索ワードで1~3位を量産した実績を生かし、大手企業のWebマーケターとして活動中。
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